応用統計学会 JSAS

応用統計学フロンティアセミナー

2026.3.18(水) 開催前
参加受付前

AI が拓く⾃然科学の新時代
〜AI が解き明かす物理・地球・宇宙の真理〜

主催:応用統計学会

日程:2026年3月18日(水)
会場:オンライン(Zoom)
お問い合わせ: appl.stat.symposium@applstat.gr.jp

セミナー概要

21世紀初頭から長期間にわたって続いている現在の第三次人工知能(AI)ブームはとどまるところを知らず、AIは既に我々の社会や生活において普遍的な技術となりつつあります。自然科学分野においてもAIの導入が積極的に進められており、AIの基礎を構築した複数のAI関係者が2024年のノーベル賞物理学賞・化学賞を受賞したことからも、いずれAIが自然科学を主体的に駆動し、人類に代わって新発見をもたらす時代がやって来ることを予感させています。しかしながら、現在のAIは与えられた問いに対する高精度の答えを返してくれるものの、そのような答えに至った思考過程を十分に説明することができないため、常に「なぜ」を問い続けることによって真理を究明してきた自然科学においては、まだ十分なツールとはなっていません。
本セミナーでは、最先端の情報科学や統計学を駆使した物理学・地球科学・天文学のご研究をされているトップリーダーを講師としてお招きし、各分野における現在のAI研究の現状を踏まえてAIが拓く自然科学の将来像についてご講演頂き、参加者の皆様と議論できますと幸いです。本セミナーは、応用統計学会の学会員のみならず、他学会の皆様や一般の皆様にも公開いたします。多くの皆様のご参加をお待ちしております。

プログラム

13:00 開会の挨拶(応用統計学会会長 南美穂子)
13:05 「自然科学研究とAIの付き合い方 ―統計物理学からみる生成と検証の分離―」
東京大学大学院総合文化研究科 福島孝治先生(座長:東京大学 長尾大道)
14:05 休憩
14:15 「AIによる火山・地震の理解と予測:人の動きまで把握する時系列データ解析」
東京大学大学院工学系研究科 辻健先生(座長:横浜国立大学 黒木学)
15:15 休憩
15:25 「データ科学が拓く宇宙物理学の新しい地平」
名古屋大学大学院理学研究科 竹内努先生(座長:横浜市立大学 三枝祐輔)
16:25 休憩
16:35 総合討論(司会:東京大学 長尾大道)
16:55 閉会の挨拶(応用統計学会副会長 田畑耕治)
17:00 閉会

講演概要

福島 孝治(ふくしま こうじ) 東京大学大学院総合文化研究科・教授
講演タイトル:
自然科学研究とAIの付き合い方 ―統計物理学からみる生成と検証の分離―

講演概要:
AIの発展により、自然科学における研究の進め方は大きく変わりつつある。本講演では、統計物理学者の立場から、AIが研究の中で果たし得る役割を具体的な事例を通して考える。AIが新たな探索の方向性を示し、人間の理論や経験がそれを洗練させてきた研究例を紹介するとともに、生成AIをサンプリングに用いる試みを通じて、「生成」と「検証」を分離する視点の重要性を示す。これは、説明可能性とは異なるかたちで、自然科学における正当性を支える一つの視点として捉えることができる。

略歴:
1991年 筑波大学第一学群自然学類 卒業
1996年 筑波大学物理学研究科 博士課程修了
1996年 東京大学物性研究所 助教
2002年 東京大学大学院総合文化研究科 准教授
2016年 東京大学大学院総合文化研究科 教授
専門分野は統計物理学。

辻 健(つじ たけし) 東京大学大学院工学系研究科・教授
講演タイトル:
AIによる火山・地震の理解と予測:人の動きまで把握する時系列データ解析

講演概要:
本講演では、AIを用いた火山噴火予測や地震発生予測、特に地震を引き起こすトリガーの推定に関する最新の研究と将来ビジョンを紹介する。地震波などのモニタリングデータに代表される時系列データへのAI応用は、防災分野にとどまらず、多様な分野での活用可能性を秘めている。例えば、振動データをAIで解析することにより、プライバシーを保護しつつ車両や人の動きを把握することも可能になりつつある。

略歴:
2007年 京都大学大学院工学研究科 助教
2012年 九州大学カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所 准教授
2017年 九州大学大学院工学研究院 教授
2022年 東京大学大学院工学系研究科 教授
地震・火山・次世代型地熱・CO2地中貯留・宇宙探査などを対象とした地球物理探査およびモニタリング・モデリング手法の研究を実施。

竹内 努(たけうち つとむ) 名古屋大学大学院理学研究科・准教授
講演タイトル:
データ科学が拓く宇宙物理学の新しい地平

講演概要:
宇宙物理学は今、観測装置の性能の大躍進によって、未曽有の巨大データの奔流の中にある。毎日のように提供される圧倒的な量のデータに翻弄される現状は、天文観測が始まって以来初めての経験であり、宇宙物理学は根本からその方法論を見直すべき時期に差しかかっている。一般に物理学は、現象の定量的記述にとどまらず、その背後にある根本原理を見出すことを目的とする。したがって、データ科学の手法を表層的に適用するだけではなく、物理現象の原理を明らかにするための本質的な応用が求められている。本講演では宇宙の構造形成、特に銀河の形成と進化への応用に重点を置き、データ科学が新たな宇宙物理学の理解への扉を開く、その最前線を紹介する。

略歴:
1994年 京都大学理学部卒業
1997年 京都大学大学院理学研究科 物理学・宇宙物理学専攻 博士前期課程修了
2000年 同 博士後期課程修了
2000年 名古屋大学大学院理学研究科 素粒子宇宙物理学専攻 博士研究員
2001年 東京大学理学系研究科付属天文学研究センター JSPS特別研究員(PD)
2002年 国立天文台光赤外研究系 JSPS特別研究員(PD)
2004年 マルセイユ天体物理学研究所 JSPS海外特別研究員
2006年 東北大学大学院理学研究科 天文学専攻 助手
2006年 名古屋大学高等研究員 特任講師
2010年 名古屋大学大学院理学研究科 素粒子宇宙物理学専攻 准教授

参加申し込み・費用

参加費:
応用統計学会会員  2,000円
応用統計学会非会員  4,000円
学生(会員・非会員とも) 1,000円

実行委員会

川野秀一(九州大学), 黒木学(横浜国立大学), 三枝祐輔(横浜市立大学), 長尾大道(東京大学), 田畑耕治(東京理科大学)

応用統計学フロンティアセミナー 2026.3.18(水) 開催前
参加受付前 2026.2.6(金) ~ 3.17(火)